鎖に縛れたお姫様







――――ねえ。




何でアンタはこう、人がガラにもなく沈んでる時に電話をかけてくるのかな?





なんで、なんでこのタイミングで、かけてくるかなぁ。



・・・・でちゃいけない。




今でたら絶対、すがってしまう。






みっともないところを見せる。




そんな自信がある。



そんなのごめんだ。




なのにあたしの葛藤を打ち砕くように、携帯はずっと震え続ける。




なんでこんなときに。



何で、今なんだろう。




どうして、なんで?








『おい、なんで学校来てねぇんだよ?』



携帯の向こうから輝の低い声が聞こえる






< 127 / 269 >

この作品をシェア

pagetop