鎖に縛れたお姫様





輝が、輝がいる。

――――輝が、



「おい何だっつーんだよその格好は。ずいぶん浮かれ気分じゃねーかよ」


「っあー、ちきしょー。あちぃーな。」



輝はそう言いながら地面に置いてあるあたしのクラッチバッグを脇に抱えて、私の前にしゃがみ込んだ。




肩が上下に揺れて呼吸が乱れてる。



いつも完璧に整ってる金髪はボサボサになっている



そんな輝を、私は泣きはらした目でじっと見る。





すると輝は視線をずらして頭をガシガシ掻いた。


そしてあたしの顔を見ていつものように笑う。




「なんて顔してんだよ。泣いちまったら不細工な顔が余計不細工になんだ ろーが」

言いながら、私の流れる涙をゴシゴシ袖で拭う。



・・・・涙が止まらないよ。





輝が優しすぎて。





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