鎖に縛れたお姫様






「べつに、なにもないですよ、会長」


「…そうか」



呟いた彼は、ゆっくりと私に近づく
何をするのかと思えば…

クシャっと、一度だけ私の頭を撫でた。



「ならいい…今日はもう暗いから明日買い物に行けよ?」


「…はい」

そのまま、私に背をむけて歩き出す


バイクのエンジンの音が鳴り響く






彼らは何も言うことはなくこの場から去っていった。








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