鎖に縛れたお姫様
「…あなたは行かなくていいの?」
私はちらっと残っている薫をみる
「…美優ちゃんは残酷だな」
「…。」
「探してたよ。必死に。美優ちゃんのことを」
ちくっと、
なにかに刺されたような感覚を覚える
「優雅も忍も、あの輝も。何かあったんじゃあないかって、余計にな」
…だから、なんだというのか
私にどんな感情を持てと?
「ま、ゆっくり考えればいいじゃねぇの。じゃ、また明日会おうな~」
そう言って凄いスピードで遠のいていく銀。