茜色。
教室中が息をのんだ。
おおげさかもしれないがそれだけの容姿だったということだ。
さらさらだけど少しはねた茶髪。
切れ長で色素の薄い瞳。
白く、滑らかな肌に形のよい唇、通った鼻筋。
すらりと長い脚や高すぎず低すぎないちょうどよい背丈は、それらをひきたてていた。
「...浜本慧でーす。よろしくー。」
彼はへらりと笑い、先生に案内された席に座る。
心地よい低さの彼の声は、多くの女子を魅了していた。
理彩なんてもはや私の言葉も届かなかった。
私はやれやれ、と呟きながら、席に座りなおした。
その様子を、
慧は見ていた。