茜色。
バキッ
屋上に鈍いおとが木霊する。
殴っちゃった。てへぺろ。
じゃなくて!
「あんた、私に何した...?」
「何って、キス。」
あ、エロい方ね、と慧はニヤニヤしながら付け足した。
「...最低...」
「は?」
バコッ
「最低最低最低!こんの...最低男!」
「...わーお。ひどい言われよう。」
つか痛ぇんだけど、と赤く腫れた頬を指差す。
「生徒会長ってもっとおとなしい女だと思ってたんだけどなー。意外と暴力女だ。あー怖い。」
怖いなんて微塵も思ってないんだろう。
相変わらずにやにやしてる。