医師とわたしの恋物語
医師は診察内容について何も聞かず


天気や暑さの事など差し障りない話をし


私の緊張を和ませてくれた。




内容は覚えてないくらいお愛想程度のものだったけど



頭がパンクするくらい悩んでいる私には


その、挨拶程度の会話が調度良かった。




普通の病院のように問診票を受け取って



震える筆跡で問診票を書いて


トイレで紙コップに尿検査をして



普通に、診察室に通された。




普通の病院と同じく、医師と向かい合っての問診があった。




ここで座って初めて



医師の顔をちゃんと見ることができた。



マスクをしているけど、まだまだ若い医師で


目元は二重で、俳優さんのように綺麗で、目力があって


すごく端正な男性である事をイメージさせた。



マスクを外した姿も見てみたかった。




この医師は最初から腰が低くて穏やかで優しくて


全て受け止めてくれるような安心感があり



初対面なのに、ふしぎな程に心を開くことができた。



すごく強く、心が惹き付けられた。




妊娠の不安が無かったら、真っ先に恋愛対象になっていたと思った。



って。



妊娠の不安以外の事が頭に浮かんだのは、ほんとに久々だった。



医師と話してるうちに、私の不安はほんの少しずつ


和らいでいった 。




そして、この医師の問診で


最後にあった生理の日にちを聞かれたり


行為のあった日にちについて聞かれたりした。



私はつい口ごもって

顔が真っ赤になるほどに


恥ずかしい思いをした。




他には、薬や食べ物のアレルギーや


今までかかった重い病気や、入院や手術経験等、普通の問診だった。



そして、医師の指示のもと


カーテンで仕切られた診察台の空間での



私は下着を脱ぎ、診察用の椅子に腰掛けた。


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