君がいるから
その後、祈梨は俺とは話さなくなった。
なのに、祈梨へのいじめは止まらなかった。
いつしか祈梨はあの笑顔もなくなってしまった。
周りの奴らも俺と祈梨を離れさせて、いじめが始まる。

そして、誰もいなくなったオレンジに染まった教室に人影が二つ。
「はる、ごめんね…。」
「なんで、お前が謝んだよ。」
「昔からはるに助けてもらってばっかだね。」とハハっとわらった。
ボロボロの姿で、満足にも笑えないのに、苦しいのに、悲しいのに。
「俺の方こそだ、助けてやれなくてごめん。ごめん。」


一粒の雫が床に落ちた。
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