夜の秘密会議
出会いました。
「さーゆー」
2階の教室から見る街は本当にきれいだ。
「おーい。さーゆー」
っていっても、高い建物から見渡せば街の景色なんてきれいに見える。
「おい!さゆ!!」
パコッ!
突然頭にきた衝撃に顔をしかめる。
「もうっ!何すんのさ!!」
そう怒鳴り後ろを振り返れば、ムスッとした悠の姿があった。
そして悠の手には、丸められた教科書。
こいつ、教科書で殴りやがったな。
「さゆが名前呼んでも無視するからじゃん!」
「あえて無視したの!」
「何でだよ!」
「うるさい!ばか悠!」
「なっ!」
叩かれた頭を手で擦りながら、いつも始まるこのケンカ。
悠と私の関係はいわゆる幼なじみ。
家も隣同士で親が中学校からの友達らしい。
そのため、親同士が話せば小さかった私は親に付いていって。
たぶん悠もそうだったんだろう。
小さい頃からずっと一緒だった。
悠は小さい頃、背が小さく可愛かった。
でも、今となっては.....、
「さゆ!一緒に帰んぞ!」
背は私より遥かに高くて、過保護になり、生意気になり。
はっきり言うと、
うざかった。