。A型な執事様。
A型=几帳面?
鳴り響く騒音、過ぎ行く人々。
そんな街中には多くの高層ビルが険しく建っている。
ここは、都会―――。
「ジリリリリリ!!!!」
目覚ましの音。
朝だ。眠い・・・。
「お嬢様!!朝ですよ。起きてください。」
「ん〜〜・・・」
あたしは生返事を返す。だってまだ寝たいんだもん・・・。
「ほら、遅刻しますよ!」
「あ〜、もう!!わかったわよ起きればいいんでしょ!?」
あたしの名前は城之内妃芽(ジョウノウチ ヒメ)。十六歳の高校一年生。
部屋を出てダイニングへ向かう。その廊下では、何人もの執事やメイドさんが朝早くから慌ただしく仕事をしている。
あたしは横を通り過ぎる度に「おはようございます!!」って明るく声をかけられる。
・・・何でかって?
実は私、城之内グループの社長を父にもつ、いわゆるお嬢様なんだ。小さい頃から英才教育をうけてきたし、欲しいものは何でも手に入った。
・・・今時珍しいんだけどな、こんな贅沢な暮らし。
正直、私はこんな生活よりも普通の家庭で暮らしたいって思ってる。
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