。A型な執事様。
「昨日遅くまで起きてたからこうなるんですよ・・・。」

隣でぶつぶつ言ってるのはあたしの専属執事の芳井(ヨシイ)。確か・・・23歳。背が高くて、眼鏡をかけてる。黒髪にシャープな輪郭のせいか、周りに知的な印象を与える。

「芳井も同じでしょ!?昨日一緒にテレビ見てたじゃない。」

「俺は大人だからいいんです。」

むきっいっつもそうやって子供扱いするんだから!

「ところで、今日は何かあるんですか?土曜日なのにこんな早く起きて・・・。」

「何言ってんのよ!芳井が無理矢理起こしたくせに…。」

「・・・・・・昨日、お嬢様に“朝早くに起こして”って頼まれたんですけど。」

「え、そうだっけ?・・・まぁそれはいいとして、今日はお母さんとお出掛けなの。芳井も来てね。」

「わかりました。用意しておきます。」


芳井は私が中学に入る頃に私の専属執事になった(うろ覚え)。その時から今まで何だかんだ言って仲良くやってる。

ま、たまにうるさすぎるんだけどね…。芳井はとにかく細かい!!絶対A型!!
私、ついてけないし・・・。(ぐうたらお嬢様だから)


ダイニングの扉を開ける。そこにはあたしたちの他にお母さんとメイドの加納さんがいた。


「お母さん、加納さん、おはよう。」

「あ、妃芽。おはよう♪今日のことちゃんと覚えてる?」

「うん。お出かけなんて久し振りだね!」

「うふふ、良いとこに連れてってあげるわ♪楽しみにしててね。」

「わあ、ありがと!!」

あたしが喜んでいると・・・

「奥様、おはようございます。今日は1日お供させていただきます。」

私とはうって変わって礼儀正しい芳井。お母さんにはいつだってああなんだから・・・。




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