意地悪なお隣さん
消し去りたい過去

何も知らない




「た、たつき君とどこで会ったの?何を知っているの?」



「こっちが聞きたい。君とつるんでるカスミのすべてがここにあるってDVD渡された」




っ!まさか
そんなあのDVD って
私の幼少期の





「見たんだ」





「見た。お前一体何者?この間まで普通の同級生だったけど今は違う。胡散臭い」




たぶん私はどこかでたつき君とすれ違ったんだろう。私が見るはずだった写真がたまたま時の部屋に落ちて・・・


たつき君は本気だ
本気で私を売るつもりだ


あの時みたいに




「お前、何を隠してる?幼少期からavってはっきり言って幻滅。」




「・・・だよね幻滅だよね?でもこれは本当の私じゃない!」




本当に何も知らなかったの
毎日ビデオ撮られて言われるがままポーズとって怒られたり怖いことされたり
でも、これが普通だと思ってた
私と同じくらいの子は皆するんだと思ってた




「本当のお前以外の誰だよ」




「時、私の事嫌いになった?DVD全部見た?淫乱だった?凄かった?少しは誰かのオカズになった?私ってね意外に人気だったんだよ。大人が目の色変えて買いたがってたんだよ」




パシンッ




右頬に走る傷み




「素敵だった。綺麗だった。技術も何もかもが出来上がってた」




「何いってるの」




「何も知らなかった頃のお前を褒めてる。怖かっただろうに敷かれたレールの上しか走れないお前をただ褒めてる」



時って本当に意味が分からない
頬を叩いたり優しくしたり





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