君は私のすべて
朝、目が覚めると横で昨日の少女がうなされていた。

あぁ、そっか、昨日こいつを連れて帰ったんだった。

にしても、すごいうなされよう。

これは起こした方がいいな。

「おい、起きろ」

肩を軽く揺すりながらおれはそいつに呼びかけた。

「んっ…」

眉を寄せてゆっくりと目を開けたそいつは、驚いた顔で俺の方を見てる。

まぁ、そりゃそうだな。


「昨日、公園でぶっ倒れてたから連れてきたんだよ。お前の携帯で身内らしき人に電話したけど出なかったからな。あ、安心しろ。何もしていないし、何もする気無いから」


怯えた表情をしているこいつを安心させる為にそう言ったつもりだったが、どうやら俺に怯えているわけではないらしく、言ったあともその表情は変わらなかった。
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