君は私のすべて
「……なんか食うか?」

このままこうしているわけにもいかず、俺はそいつにそう聞いた。

そして、こくんと首を縦に振ったのを確認した俺は、

「よいしょっと」

そいつをお姫様抱っこしてリビングへと移動した。

公園から連れて帰った時も思ったが、やっぱりこいつ軽い。

そんなことを思いながらリビングについた俺はそいつを下ろして、もう一度聞いた。


「…名前、何?」

すると、小さい口が開いた。


「…優愛」

優愛…。

「優愛な。分かった」

そう言って俺は優しく笑った。

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