君は私のすべて
「…あ、の……」

か細い声で俺に話しかけてきた優愛。


「…あ、わりぃ」

優愛の頬にずっと手を添えていたことに気づき、慌てて手を引っ込めた。


そして暫くして、優愛は再び食べ始めた。

しかし…


「……」

無言で箸を持つ手を止め、俺の方を向いた。


「何?もういらないのか?」

首を横に振る優愛。違うのか。

じゃあ何だ?

そんな意味を込めて軽く首を横に曲げると、

「…もう食べれない」

優愛は、小さくそう言った。





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