君は私のすべて
「お前さぁ、俺のこと何だと思ってるわけ?」 


顔をひきつらせながら優愛に問いかけると、何故か疑問系で返してきた。

「何って…学生…?」

不思議そうな顔をする優愛。俺ってそんな童顔かなぁとショックを受けつつ、優愛に溜め息混じりの声で言った。


「はぁ…教師だよ」


その瞬間、優愛は口をぽかんと開け、今までにないくらい大きな声を発した。


「…教師!?」


優愛はその自分の声に驚いたみたいで、目を大きく見開いてから小さな手で口を覆った。

「…びっくりした。あなたが…教師なんて」

口を覆っている為か、こもった声の優愛。てか…


「“あなた”ってやめろよ。俺は晴翔」

確か優愛に一回自己紹介したと思いながら、この様子だと忘れていると悲しくなったが、名前で呼んで欲しくて、わざと下の名前しか教えなかった。すると優愛は…


「晴翔…くん」


案の定、名前で俺を呼んだ。



「うん、なに?」


そんな様子が愛しくて、つい優愛を抱き寄せてしまった。
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