姫の笑顔
…逃げられない。言葉を誤魔化す事も許さない目。
「…はい。」短く答えるとお兄さまは
「ミリヤにとってこの生活を急に慣れろだなんて言わない。だが、心配事が有れば俺じゃなくても良いから誰かに言ってくれないか?」そう言った。
言う事…わたしに出来るのだろうか?
難しいな。
今まで特別仲が良い友だちも居なかったし、日本人離れした外見で疎外されてたし。実際問題、日本人じゃなかったけど。…顔色をみたお兄さまは
「難しいか?」そう言うと
「はい。…申し訳ありませんが」そうわたしが言うと
「分かった。直ぐにはじゃなくても良いから少しずつ、な?」と言ってがしがしとわたしの頭を撫でた。…何か、これは嬉しいな。
「……」急にお兄さまがポカーンとわたしを見ていた。
「……お兄さま?いかがなさいましたか?」そう言うとはっとしてお兄さまはフワッと笑って