姫の笑顔

「ピアノ部屋、行きましょう。団長がピアノ部屋に近付かない様に人払いを頼んだので大丈夫です。」ユウキさんは優しく言ってくれた。

「ありがとう、ございます。」わたしなんかのために、すごく嬉しかった。

ーピアノ部屋ー

ピアノ部屋に着くとグランドピアノの前に向かい鍵盤の蓋を開け、椅子に座った。

「ユウキさん、クラシックで好きな曲はありますか?」そう言うとユウキさんは

「そうですね──」その先に言った曲を弾いた。わたしなりのお礼に。絶対音感と瞬間記憶があるから、有名な曲なら手元に譜面が無くても弾ける。

荒れていた心が落ち着いてくる。…やっぱりわたし、ピアノが好きなんだ。

何曲か弾いて観客が一人だけのミニコンサートは終わった。

ーその頃、sideアレスー

人払いを終え、エルと話していた。

「ゆっくり、ミリヤの心を溶かすしか無いようだな。」俺が言うと

「みたいですね…」エルは気落ちした声で言った。…まぁ、あそこまで否定されると落ち込むよな。



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