姫の笑顔
「ミリヤの気持ち次第だな…今知ってる時点ではミリヤは引っ込み思案で、〝わたしなんか〟って言う考え方だ。」流石だな。…ミリヤの事よく見てる。
「私もそう思います。ですが、ミリヤのピアノはこれまで聞いたピアノの概念を覆す様なものでした。…私はミリヤの腕が世界にどの程度通用するのか、知りたく思います。」俺が言うと父上が
「ミリヤが〝やらない〟って言ったらこの話しは終わりだ。」そう言った。
「分かりました。失礼します」と言い食堂を出た。
それからは、近衛騎士の正装である団長服を身に付け、警察とタッグを組み、不審物が無いか、警備の具合など色んな仕事があり、忙しさを極めた。
ーその頃、sideミリヤー
パステルイエローのフンワリとしたドレスに長い髪を結い上げてからメイクをして貰っていた。
わたしの腕の傷が隠れるドレスだから安心していた。…傷のせいで日本にいるとき冷たい目を向けられ、あんな思いは沢山だから。
メイクが終わり、メイドの人達には退席してもらい、窓から外を眺めていた。
ノックが聞こえて『姫様、時間になりました』と言われたから自室を後にした。