姫の笑顔
ーお披露目式会場ー
お父さまがわたしの紹介をした後、ひっきりなしに各国の要人の方がわたしの所に来た。
お披露目式前にユウキさんとお兄さまが言っていた事───『アリス公国第一皇子に気を付けろ。』聞かされた時は意味が分からなかったけど、ようやく分かった。それは…
「始めまして、姫君。アリス公国第一皇子、ディオスと申します。姫君は花より美しく──」
何、この人。虫酸が走る。
典型的なキライなタイプ。
キザ、外見だけ見てる。そして自己中。
「ミリヤ。父上が呼んでる。」お兄さまがわたしに言った。
「分かりました。…失礼します」そう言ってからお兄さまに付いていった。
「お兄さま、お父さまのご用とは?」そう聞いたけど
「いや、父上が呼んでる事はウソ。…ミリヤが困っていたから口実だよ。」と言った。
「ありがとうございます。お兄さま。」
それからはあのキザ男とは会わなくて、無事お披露目会は終わった。