姫の笑顔

───

「──そうか。」お兄さまが学院の一室を借りてユウキからの報告を聞いた。

わたしに向かって来たボールは故意に投げられた物。

テニスの授業で変な方向に行ったボールならわたしの視界ぎりぎりでは無いはず。…なのにぎりぎりだった。…それと間違って、なら謝って来る人が居るはず。それと「危ない!!」って誰かが言う筈なのに無かった。

…犯人は複数。

わたしたち3人にはそんな考えがあった。

「学院の中にも騎士が居る。…調べさせる。いいな?」お兄さまは〝騎士団長〟の顔だった。

不服は無い。

「お願いします。」わたしが言うとユウキは

「団長、暫く姫様は学院はお休みした方が宜しいのでは?」そう言った。

「…ユウキの言う事も一理ある。…ミリヤ良いか?」そうお兄さまは言った。
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