姫の笑顔

最後の音が鳴るとユウキはわたしを後ろからぎゅっと抱き締めてくれた。…わたしの心臓、バクバクいってる。体が熱いよ…。

「ミリヤ、ありがとな。ミリヤの気持ち、伝わった。俺もミリヤの事、好きだ。」耳元で言われた。…ユウキが使ってる爽やかな香りがする香水の香り。…この香り、好きだな…。

わたしはユウキに体を預けると、ユウキが前から抱き締めてくれた。

ユウキは軍服着てるから見た感じでは分からないけど、稽古の賜物なのか筋肉が付いてる。ユウキに包まれてるとドキドキするけど、凄く、落ち着く。

「ミリヤ。」そう言われてユウキの胸に顔を埋めていたけど、ユウキを見ると

「ミリヤ、俺のお願い聞いてくれないか?」そう言われて

「お願い?」首を傾げながら言うと

「…キス、したい。」そう言われて顔が熱くなった。

………。ファーストキスだけど、ユウキなら良いかな。

恥ずかしいから言えなくて頭を俯かせて、こくりと頷いた。

ユウキの手がわたしの肩に置かれ、わたしが顔を上げるとユウキの顔が近付いて、唇に柔らかい物が当たった。わたしは自然に目を閉じていた。
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