姫の笑顔

俺は耳に付いたピアスを触りながら思った。

──ピアスの儀式。あれなら未成年関係なく異性同士の合意だけで法律と同じ効果がある。

──でもこいつは最後の手段だな。ミリヤには笑っていて貰いたい。反対を押しきり無理矢理儀式を行ってもミリヤが悲しむから。

ゆっくり地盤を固めよう。そう俺は思った。

2時間ほど過ぎ、ミリヤは目を覚ました。

「気分はどう?」そう俺が言うと

「大丈夫だよ。」とミリヤは答えた。

「ねぇ、ユウキ。ユウキはコンクールの事どう思ってる?わたしに出て欲しい?出て欲しくない?」俺は…

「俺はミリヤにはピアノを楽しんで貰いたい。もし、ミリヤにとってストレスを感じるなら出ないで欲しい。」そう言うとミリヤは起き上がると俺を抱き締めた。

……柔らかい。ミリヤから仄かに香る花の様な甘い香りが俺の心臓が大きく高鳴る。もっと、と思い、ミリヤの体を抱き締めた。
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