【完】君と、前へ。
私と海斗は近くのカフェに入り、禁煙の席に向かい合って座った。
「奈津…久しぶり、だな。
こっちに帰ってきたのか…。」
「うん、里帰り?ってやつ?
東京のほうが暑いけど、こっちも暑いね。」
私の地元に帰ってくるものそういえば4ヶ月ぶりだよね。
「…海斗…、少し雰囲気変わった?」
こう…、落ち着いたような…
「変わったのは奈津のほうだろ。
…綺麗になったっていうか…一瞬誰だか分からなかった。」
そうかな?と言いながら、パーマをゆるくかけた茶髪の髪をくるりと指に巻いてみた。
「そうだろっ、4ヶ月前まで黒髪のミディアムストレートだったじゃんか。」
あ、口調が子供っぽいところは健在だなあ…
そう思いながら、海斗の変わっていない黒髪をぼーっと眺めていた。
「……奈津、すまなかった……。」