【完】君と、前へ。
「ちょっ…やめてよこんな所で…」
私は、深く頭を下げる海斗に顔を上げるように言う。
「ちょっと…いきなりどうしたのよ…」
呆れた声で私は言う。
顔を上げた海斗は今にも泣きそうな、本当に申し訳ないと言う顔をしていた。
「…どうせ、あのことなんでしょ?海斗…」
「……悪かった…」
"あのこと"
それは、今から4ヶ月前のお話____……
_______4ヶ月前
私と海斗は無事、それぞれの大学に合格し、
暗くなり始めた空の下で
合格祝いに、近くの海辺に行った。