【完】君と、前へ。
「海斗が言いたいこと…私知ってるもん…」
短い付き合いだけど、
ほんの少しの"彼女"という肩書きだけれど…
「…っ海斗のこと好きだもん!!
…わかるもん…っ」
「奈津…」
揺れる波に、私の頬に伝う雫が落ちる。
キラリと一瞬だけ、光ったおそろいの私の指輪。
深いため息をつき、海斗は靴を脱ぎ…
その指輪をはめた手で、
私の肩を抱き寄せた。
「やめてよ…最後まで優しくしないでよっ…」