正義のヒーロー

「宝の地図…でしょうか?」

その紙は地図のように描かれていた。
ふにゃふにゃと線が延びていて、曲がり角などに有名な建物の名前などが印されている。
何が重要なのか、数ヶ所イラストが描かれていて、さらにそのイラストには赤ペンで丸く囲まれていた。
正確にいうと、赤ペンで丸したというよりは茶色に近かった。
紙自体が年期物だから仕方がない。

数ヶ所の内の1つは、この地点からそう遠くない場所だ。


「太陽さん、この後予定とかある?」
「え、特にないですけど…」
「それじゃあ、まずはここから行ってみようか」

ここから一番近い、木の下に星印が描かれた場所を指した。
この辺りは空き地だったはずだ。

「行くって…行くのですか!?」


なんだか拒否されそうだったから、有無を言わせる前に太陽さんの手首を引っ張った。
押しに弱く、優しい太陽さんは、この手を絶対に拒まないと確信していた。


そして僕たちは、地図を歩みだした。


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