正義のヒーロー
「タイムアーップでございまーす!」
黙々と葛藤していると、夜霧が突然叫んだ。
反射的に、身体がビクッと跳ねた。
「二十球ど真ん中にホームラン打つから、明日も俺に付き合え。拒否権無し!」
「……また強制ですか?」
「暗黙の了解だ」
了解してない。無茶苦茶だ。
なんとなく如月に似ている気がした。
まぁ、こっちの方が、笑顔がいやらしい分、何倍もムカつく。
カキーンとバットが鳴った。
一球目のボールが的の真ん中に当たる。
まもなく二球目も飛んできて、機械的に的の真ん中に当たった。