正義のヒーロー

ヒーロー追跡開始





「…あのっ、待ってください!」

太陽さんが僕の手をはらう。
グラウンドから結構離れたていたから、今さら払われたことに驚いた。
しかもあの、物腰柔らかい太陽さんが、だ。

立ち止まって振り返ったら、気まずそうに下をむかれた。


「いえ、その…。どうしてこの地図を辿るのかと思いまして…」
「どうして?」

「だって、落ちてた地図ですし…代打の方のだと言いきれないじゃないですか」

俯いて気まずそうに言った太陽さんが、僕を見た。
確信を迫っているようだ。

「そうだねぇ。確かに代打の奴の物なのかは分からない」

そう言うと、太陽さんが明らかに嬉しそうな顔をした。
嫌々ついてきたのかと思うと、少しムカついた。

まぁ、強引に連れてきたのは僕だけど。

< 42 / 59 >

この作品をシェア

pagetop