正義のヒーロー

「あ。まだ続きがあります」
「夜霧」
「え?」
「朝日奈 真殊/夜霧」

太陽さんが驚く。
明らかに、なんで?という顔をしていた。

太陽さんが地図を拾った時、全体を観察していた。
どうやら僕には、昔からちょっとした探偵じみたことをしてしまうクセがあるようだ。

僕が朝日奈の普通じゃないことを見抜いていたように、朝日奈も僕のクセに気付いていた。

まぁ、朝日奈に言われてから自覚しはじめたのだけど。
僕は朝日奈が普通じゃないことは、本人には隠している。

切り札や証拠を取っておいてじらす、っていうのも、探偵がしそうだ。


「し、知っていたんですか…」
「その夜霧ってのが代打の人だったら面白くないかな?」
「まさか。そこまでは」

そう、これは僕の勘。
実は僕の勘は意外に当たる。

まさに探偵の勘が優れているように。

< 44 / 59 >

この作品をシェア

pagetop