正義のヒーロー
「あれ?」
僕たちは地図通りに辿った。
それなのにおかしい。
目の前には、立派な家が建っていた。
「ここは、空き地だったはずなんだけど」
「ご立派なお家ですね」
太陽さんは地図をもう一度見た。
何度見ても、木の下に星印が描かれている。
「木ですけど、この家には木がありませんね」
目の前に建っている家は、ベージュを基本とした赤い屋根の3階建てだった。
家自体もかなり大きく、家を囲むように庭が広がっている。
僕たちは今、大きな柵の前に立っている。
ここから見る限りでは、木は見えない。
「庭に入ってみよう」
僕はおもむろにベルを押した。