正義のヒーロー
今日の学校もあっさり終わってしまい、トボトボと川原沿いを歩いて帰宅する。
決して家が近い訳ではないのだが、折角の川原通学を無駄にしたくない。
チャリだと一瞬に情景が吹き飛ぶから、完全に一人の世界だ。
歩いていると、変な奴に遭遇したとき、相手が話し掛けやすいと思ったから。
(変な奴とは不審者ではなくて、異世界とかそこらの使いのことを指す)
思ってるだけであって、今まで道を聞かれることすら一度もなかった。
つまりこれも、現実逃避失敗例なのかもしれない。
いつも通り車は一台も通らず、右手には穏やかに川の音と、左手の草野球の声。
蝉がミンミンうるさいほど鳴いているくらいだった。