正義のヒーロー


庭は予想通り広かった。
以前公園ほどの空き地が以前家になったのだから、当然といえば当然なのだけど。

「手分けして捜そう」
振り返ると、まだしょんぼりした太陽さんがいた。

「太陽さん。立ち止まるだけじゃ何も始まらない」
「……はい」

決心がついたような顔付きになった。
そう思ったら急に頬笑みだした。
しょげていた人がいきなり笑顔になるのは、どういうけとかと思う。

「なんか私、助手みたいですね」

フフフと楽しそうに笑いながら、太陽さんが離れていく。

なんだかんだ言って、最後には乗り気…。
一緒にいればいるほど、太陽さんがよく分からなくなってきた。


< 51 / 59 >

この作品をシェア

pagetop