正義のヒーロー
女の人が遠くから眺める中に、俺たちは左右別れて庭を一周していた。
女の人がはぐらかしていたように、目につくところに木はない、なんだか殺風景な庭だ。
しかし無駄に広い。
「如月くん、来てください!」
遠くから太陽さんの声が聞こえる。
どうやら探偵より、助手が見つけたようだ。
すごく小さい木だった。
背丈三十センチくらいで、木というより枝と言ったほうが近い。
「桜の木です」
「へー、分かるんだ」
太陽さんが照れたように下を向いた。
「……あ。何か埋まっています」
よく見ると、木の根の部分が黄色く光っている。
太陽さんが黄色の物の付近を触ると、呆気なく出てきた。
百円玉くらいの大きさの、星の形をした何かだった。
それが何なのか、僕には分からない。
「なんでしょう、これ?」
広い上げて僕に手渡された。
文字通り、星屑という表現がピッタリだ。
しかし眺めれば眺めるほど、何か分からない。