正義のヒーロー


「どうした、朝日奈くん。全然食べてねーじゃん。俺の奢りだぞ?もっと食えよ」

向かいにハンバーグをガツガツ食べる夜霧がいる。
ちなみに、ペペロンチーノを平らげた後の、二品目だ。

「食細いのか?だからいつまで経っても、ヒョロっこい身体付きしてんじゃね?」
「アナタが食べ過ぎです。…それに、いつまで経ってもって、俺をいつから知ってるんですか…」

「ずっと前から…だよ」
「え?」

急に夜霧の顔に影が落ちる。
最後に何を言ったのか、さっぱり聞こえなかったけど、気まずい空気になったことは確かだ。




今俺たちは、ファーストフード店で夜食をとっている。
散々ホームランを売った夜霧と、八割くらい打って、何故かその後夜霧に指導を受けていた俺。
「運動したら腹減ったな!」の夜霧の一言から始まり、引きずられるように店内連れられた。

今時携帯を持っていない俺は、家に連絡が入れられない状況に、少し困っている。
まさか、成人しているであろう夜霧さえも持っていないだなんて、予想外だった。




「ごちそうさまでしたっ!」
「ごちそうになります」

俺がハンバーグステーキセットを食べ終わる頃に、夜霧は超ウルトラデラックス苺パフェまで食べ終えた。

まさに驚異的な胃袋の持ち主だ。



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