あなたには聞こえますか…………
第15章……悲劇
6月4日16:34
事件が発生しはじめてから、死者は何人
になったのか数えるのも恐ろしく、雪は
塞ぎ込んでいた。
人を救うため、その為に消防という世界
に足を踏み込んだはずだった。
しかしいまは、遺体を前に頑張っても報
われない自分自身の無力さを実感してい
た。
このままだと、悲劇は減るばかりか、日
本の人口が減り続けてしまう。
たのしく話すカップル。
愛し合うカップル。
優しい家庭。
無邪気な子ども達の笑い声。
それらが無くなってしまう。
恐怖と絶望、不安だらけの未来に雪は、
苦しみもがいていた。
「子ども達の……
あ……
子ども……
どういうことだ……?」
今まで、被害のあった現場には、子ども
達の遺体を見ていない事に、雪は気付い
たのだ。
事件が発生しはじめてから、死者は何人
になったのか数えるのも恐ろしく、雪は
塞ぎ込んでいた。
人を救うため、その為に消防という世界
に足を踏み込んだはずだった。
しかしいまは、遺体を前に頑張っても報
われない自分自身の無力さを実感してい
た。
このままだと、悲劇は減るばかりか、日
本の人口が減り続けてしまう。
たのしく話すカップル。
愛し合うカップル。
優しい家庭。
無邪気な子ども達の笑い声。
それらが無くなってしまう。
恐怖と絶望、不安だらけの未来に雪は、
苦しみもがいていた。
「子ども達の……
あ……
子ども……
どういうことだ……?」
今まで、被害のあった現場には、子ども
達の遺体を見ていない事に、雪は気付い
たのだ。