あなたには聞こえますか…………
悲劇は、こともあろうに幼稚園だった。


幼稚園での救急要請を知らせるアナウン

スは、高揚のない声でスピーカーから告

げていたのだ。



雪は頭が真っ白になり、慌てて救急要請

に従い車に乗り込む。



「子供たちが……

どうか……どうか……助かっていて。

お願いだから……

いつものように、子供たちは無事でいて

ほしい……」



救急車両に待機する雪は、声に出すのが

やっとであった。




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