あなたには聞こえますか…………
少しの沈黙を保った後、口を開いたのは

母親の陽子だった。



「ゆりが死んでから、三ヶ月経ったね。

今頃ゆりは、天国で笑ってるよね……

こんな落ち込んだ私達をみて……」



「そうですよね……」



「なぁ、みさとちゃん。ゆりの事ずっと

忘れないでいてあげてな……」



父親の問いかけに、みさとは口には出さ

ず、父親を見つめていた。






残された家族。
残った友人。

その空間には、様々な思いが交錯してい

たのだ。



そう、人は死ねば、周りの者達が悲しみ

苦しむ形となる。



今回の一連の出来事では、その悲しみの

数は計り知れないだろう。



四人が食卓を囲んでいた時、横にあった

テレビ画面では、新たな事件発生の報道

が流れていた。





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