あなたには聞こえますか…………
ヘッドフォンを外し、拓也に抱きつくと

みさとは甘えた声で話し出していた。



「たーくや! お待たせー!

今日はどこに行くー?」



「それが問題なんだよなぁ。

店どこも開いてないやん!

まったく……ムカつく犯人やわ。

俺らのデートの邪魔してよ……」



「ほんと、そうよね!

誰か知らないけど、結果的にさ、

こうやってデートすら出来にくくなった

んだから! その犯人のせいで!

マジでムカつくー。

もっと人の事を考えてほしいわ」



「ほんまそれ! そんな身勝手なやつ、

早く捕まったらええねん!

邪魔、邪魔! そんなやつはさ!」



そう話しながら二人は、街を歩き出して

行くのだ。


< 156 / 397 >

この作品をシェア

pagetop