あなたには聞こえますか…………
二人が店をあとにしたあと、



店内では、店主が呟いていた。



「世の中も、人も変わりすぎたな。

人の気持ちを軽く見すぎる時代になって

来たのか。嘆かわしい……」









一方、二人は腕を組みながらデートを

続けている。



「ほんと、閉まってる店ばかりだね。

どこもいけないね……」



「まぁなぁ。事件ばかりだしな」



「音だっけ? どんな音なんだろーね」



「みさとちゃん、聞いてみなよ!」



「ちょっとー殺す気?

でも私なら生き残った人みたいに、生存

する気まんまんだけどね!」



「それ不思議よな。なぜ聞いても死なな

い人が出てるんだろねー。俺も生き残っ

てみせるぜー!」



「キャハハ。じゃあ、二人とも生き残って

世の中支配しちゃおー!」



「いいね! それー!」





二人はまだ知るよしもなかった。


この先にある恐怖の始まりを。

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