あなたには聞こえますか…………
義信は構わず続けていた。



「失礼ですが、耳に持病などは特にあり

ませんか?」



「はい……ありません……」



「そうですか……失礼しました」



すぐにでも帰りたそうな雰囲気を出して

いた新山に、義信は質問を繰り出した。



「最後によろしいでしょうか」



「はい……もうこれで最後にしていただけ

ますでしょうか……

しかもこんなお墓の前にで……」




そして、義信は事の発端と思われるサイ

トを調べあげた際に、文面に書かれてい

た言葉を、新山にぶつけていた。



「あなたは、大切な人に何があっても一

生一途に思い続けれますか?



そして、約束を守れる人間だと自分自身

で思いますか?」


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