あなたには聞こえますか…………
調べるのには時間がかかるだろうと思っ

た義信は、カウンターのイスに腰を掛け

店内のメニュー票を見て注文していた。



リラックスし色々と話を聞き出そうと

していたのだろう。





「秀美さんが施設を辞められてからも、

お付き合いがあったのですね」



「あぁ。とは言っても、会ったりする

ような仲ではなかったですぞ。年賀状で

やり取りするくらいやったが……

それも最近はなくなってたように感じま

すなぁ」



そう言うと、店主は温かい一杯を義信の

前に差し出した。



「ありがとうございます」



コップを口に運び、義信は質問を続けて

いた。



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