あなたには聞こえますか…………
「残念です」



様々な思いからでた義信の言葉だった。

犯人に繋がる内容を得られるだろう、

いや、もしかしたら犯人かもしれない。

そんな思いで来たのだが、死亡の知らせ

を聞き込み、出発点に戻ってしまった気

がしていた。



「ほんと残念な方を亡くしました。

親戚もおられないようでしたので、

葬儀も厳しい状況で……」



「あ。お母さん電話鳴ってるよ?」



「あーはいはい。では失礼しますね」



そう言って奥さんは家に入って行った。

玄関先には高校生の男の子が残っていた





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