あなたには聞こえますか…………
「秀美おじさん、熱かっただろうな」



ポツリと思い出したように、息子が呟い

ていた。



「熱かった? どういう事なの?」



「え。だって火事なら熱いでしょ……」



義信は参考人が亡くなったという動揺か

ら、そういった事件、事故の事にまで

頭が回らない状況だった。



「ありがとう。僕、お母さんにも伝えと

いてね!」




そう言い残すと、義信はすぐさま車まで

走りだしていた。

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