あなたには聞こえますか…………
その質問を投げかけた時、先程の威勢は

無くなり、雅代はまたも態度を急変しだ

したのだ。



「いえ、それは。あの……

その時には私は既に離婚していたのです

から! 引き取る義務はないでしょう?

私も再婚して新しい家族が居たのですか

ら!

もう他人だったのですから!」



(あまりにも残酷な。

こんな母親もいるんだな。

肉親を他人呼ばわりか)



軽蔑した目付きで、義信はそう頭の中で

呟きながら、雅代をしばらく見ていた。
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