あなたには聞こえますか…………
「そう、興奮なさらずに。

では、お嬢様はいまは違う場所に?」



「もう娘の話は結構ですから!

言ったでしょう?今となってはあの人と

は離婚も成立しましたし、娘はあの父親

に引き取られ私とは他人になったのです

から。いま、私はこんな時代ですけど、

新しい生活を過ごして幸せなんです。

壊さないでもらえますか?」



「壊すだなんて。

分かりました。また何かありましたら、

ご協力よろしくお願いしますね」



「二度と来ないでください!」




そう言い放ち、雅代はドアを大きく閉め

て、二度とその扉は開かなかった。

< 289 / 397 >

この作品をシェア

pagetop