あなたには聞こえますか…………
2月1日18:04


中山雅代の自宅に付き、チャイムを

鳴らしていた義信は、また怒鳴られるだ

ろうと苦笑いしていた。




「またあなたですか。今度はなに!」



いきなりの怒鳴り声だった。



「いやね、娘さんが学校を自主退学した

際に、あなたもご一緒だったと聞きまし

てね」



雅代は、ばつが悪そうに、小声で話し出

した。



「本当にやめてくれませんか。いま家に

は旦那もいてるのですから。」



「あー、すみません。

すぐ帰りますから、話さえ聞ければ」



「何が聞きたいの?

娘とはあの火災の後、一度一緒に学校に

は行きましたよ。

娘が学校をやめて働くからって連絡があ

ったんでね。

そのあとは、住所も言わずどこかに行き

ましたから。私はわかりませんよ。


その後のことは。

もう充分でしょ?

二度と来ないでください」




一方的に話し、雅代は家に入って行った。
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