あなたには聞こえますか…………
「花梨、俺は裏切らないから。

何があっても。約束は守るから。

だから、安心して」



「わかってるよ。雪さんなら大丈夫だっ

て。ぜったいに大丈夫なのが分かったか

ら、だから……」



そこで花梨は話すのを止めていた。



「だから……? だからなに?」



「なんでもない! あー話したらスッキ

リした! 雪さん聞いてくれてありがと

っ!

もうっ! 雪さんは隠し事が出来ないん

だから、気を使わないでいいのにぃ!」



雪は優しい表情で花梨を見つめていた。

そして、ずっとずっとこの先もこの関係

を保つと、花梨にこれ以上悲しい事をさ

せないのだと、心に固く誓いながら。


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