あなたには聞こえますか…………
(しかし、花梨にはなんて伝えたらいい

んだ……

どう言えば、深く思い込まさせず、

また思い出して悲しみの淵に沈まないよ

うにするには……)



雪は花梨の心配ばかりが頭から離れず、

仕事も手につかないようになっていた。




(でも、音の研究かぁ。

どんな父親だったのだろう。

立派な学者さんだったんだろうな。

会ってみたかったな。花梨の父親に)



雪は悲しそうな表情を浮かべ、迫り来る

1週間後の夕方までに、花梨の身を案じ

対策を練ろうと考えていた。





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