あなたには聞こえますか…………
「落ち着いて下さい」



「俺じゃないって! 本当に俺じゃない

から!

俺がこいつをやったんじゃないから……」



「いや、だから。落ち着いて!

それを調べるのは私達、救急隊ではない

ですから。すぐに警察の方が来られます

ので、その時に事情を説明して下されば

いいですから」



「ただ、俺が来たら、こいつがすでにこ

んな風になってたんだよ……

呼び掛けても動かなくさ……」



「失礼ですが、恋人の方でしょうか?」



「あぁ。そうだよ。だからって俺がやっ

たんじゃないから……

俺のせいとかに、しないでくれよな?

頼むよ……俺がこいつに人生狂わされたり

するのは嫌だよ……」





雪は虚しくなりながら、その叫びを聞い

ていたのだ。








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